ブルゴーニュワインは、他のワインに類を見ないほど香りに繊細さを持っています。 豊かな香りは味にも影響していると言えるでしょう。
ここでは一般的なブルゴーニュワインの香りを解説します。
香りの役割
良い香りは、ワインを味わい深いものにします。
ブルゴーニュワインの香りはワインそのものの味を構成する重要な要素になっています。
香りを楽しんでいただいた後、ワインを口に含んだ瞬間に、香りはフルーツやミネラル、スパイスを彷彿とさせるような味に変化していきます。
香りはブドウの木からワインセラーまでの一連の物語を物語っていると言えます。
収穫されてから熟成されるまでの間に、様々な香りが積み重なっていきます。
● ブドウの品種そのものの香り:ブドウそれぞれの品種の特性から生み出される香り
(フルーティーな香り)
● 砂糖がアルコールに転化する発酵段階で生まれる香り
(バターのような香ばしい香り)
● 樽の中で熟成している最中に空気と交換することによって形成される香り
(スパイスのようなアクセントになる香り)
香りの起源
ブドウの最高の品種シャルドネとピノノワール、豊富な熟成に至るまでの段階で蓄積されていく香りが多様でふくよかな味わいを生み出します。
この多様性は、ワインを飲みなれていない人にも、はっきりと感じ取れると思います。
では具体的に、どのような香りがワインに含まれているのかを詳しく見ていきましょう。
白ワイン
ブルゴーニュの白ワイン香りはいくつかのカテゴリーに分類されます。
≪花の香り≫
カモミール、バーベナ、スイカズラ、
ワイルドローズ、アカシア、サンザシ、牡丹、オレンジの木の花といった白い花のタッチがもたらす爽やかな香り。フローラルな香りはワインの繊細さを体現します。
(フローラルな香りのするワイン:シャブリ、サン・ヴェラン、モンタニー、サン・トーバン、ムルソー等...)
≪ドライフルーツの香り≫
レーズン、ヘーゼルナッツ、アーモンド、ドライイチジク、ピスタチオ、アプリコットといったドライフルーツは、ボトルの中で数年熟成されたあとに生み出されます。アプリコットの香りはワインが成熟している証であり、ヘーゼルナッツの香りは新しい樽で熟成された証です。
(ドライフルーツの香りのするワイン:ムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェ、コルトン・シャルルマーニュ、シャブリ等…)
≪コクを生み出す芳醇な香り≫
乳製品、バター、ビール、酵母といった
芳醇な香りは完成して間もない年数の経っていないワイン特有の香りです。
ほとんどの白ワインに共通する香りです。
≪蜂蜜のような甘い香り≫
蜂蜜、キャラメル、リコリス、ココアといった甘い香りは数年間熟成させた後に生み出されます。
(蜂蜜のような甘い香りのするワイン:シャブリ、バタール・モンラッシェ、サン・トーバン、ラドワ、メルキュレイ等…)
≪フルーティーな香り≫
柑橘類、桃、梨、ミカン、レモン、
オレンジ、グレープフルーツ、パイナップル、バナナ、青リンゴといったフルーティーな香りは非常に若いワイン熟成したワインの両方に見られます。
(フルーティーな香りのするワイン:シャブリ、アリゴテ、マコン、ブルゴーニュ コート・ドーセール等…)
代表的なフレーバー
バニラ、オークウッドといった香りは
新しいオーク樽の中で生み出されます。
熟成させればさせるほど深みの出てくるワインに特に共通してみられる特徴です。
燻製した香り、焙煎したコーヒーやローストしたような香ばしい香りも、オーク樽の焼き付け過程で生み出されます。
香ばしい香りを味わうには年数の経ったワインがおすすめです。
赤ワイン
赤ワインの香りもいくつかのカテゴリーに分類されます。
≪フルーティーな香り≫
カシス、チェリー、ラズベリー、ブラックベリー、プラム、ワイルドベリーといったベリー系の果実によって生み出される香りはブルゴーニュの赤ワイン特有です。
(フルーティーな香りのするワイン:オート・コート・ド・ニュイで生産されたワイン、イランシー、マルセネ、ショレ・レ・ボーヌ等…)
≪砂糖漬けのフルーツの香り≫
ジャム、フルーツのシロップ漬け
砂糖漬けのフルーツの香りアロマは、ベリー系の果実の香りに続きます。
ラズベリージャムの香りはブルゴーニュの赤ワインによく見られます。
(砂糖漬けのフルーツの香りのするワイン:ジュヴレ・シャンベルタン、アロース・コルトン、ポマール等…)
≪下草の香り≫
下草、キノコ、トリュフといった下草の香りは樽や瓶で数年間の熟成した赤ワイン特有の香りです。
(下草の香りのするワイン:モレ・サン・ドニ.、ヴォーヌ・ロマネ、ニュイ・サン・ジョルジュ、ボーヌ、ヴォルネイ等…)
≪スパイスの香り≫
コショウ、シナモンといったスパイスの香りもブルゴーニュの赤ワイン特有の香りです。
(スパイスの香りのするワイン:ジュヴレ・シャンベルタン、マルセネ、シャサーニュ・モンラッシェ、サントネー、イランシー等…)
≪なめした革の香り≫
革、毛皮のような動物の香りもワインには必要な要素です。
(なめした革の香りのするワイン:コルトン、クロ・ド・ヴージョ、ニュイ・サン・ジョルジュ、リシュブール、ジュヴレ・シャンベルタン等…)
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